Commit 61452c87 by Qiang Xue

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Docs ja 2014 10 18
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バージョン 1.1 からアップグレードする
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Yii フレームワークは 2.0 のために完全に書き直されたため、バージョン 1.1 と 2.0 の間には数多くの違いがあります。
結果として、バージョン 1.1 からのアップグレードは、マイナーバージョン間でのアップグレードのような些細な問題ではなくなりました。
この章では、二つのバージョン間の主要な違いを説明します。
もし以前に Yii 1.1 を使ったことがなければ、あなたはこの章を飛ばして直接に "[始めよう](start-installation.md)" に進んでも大丈夫です。
Yii 2.0 は、この要約でカバーされているよりも多くの新機能を導入していることに注意してください。
公式ガイド全体を通読して全ての新機能について学習することを強く推奨します。
おそらく、以前は自分自身で開発しなければならなかったいくつかの機能が、今ではコアコードの一部になっていることに気付くでしょう。
インストール
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Yii 2.0 は、事実上の標準的 PHP パッケージ管理ソフトである [Composer](https://getcomposer.org/) を全面的に採用しています。
コアフレームワークも、エクステンションも、インストールは Composer を通じて処理されます。
[Yii をインストールする](start-installation.md) の章を参照して、Yii 2.0 をインストールする方法を学習してください。
新しいエクステンションを作成したい場合、または既存の 1.1 エクステンションを 2.0 互換のエクステンションに変換したい場合は、
ガイドの [エクステンションを作成する](structure-extensions.md#creating-extensions) の章を参照してください。
PHP の必要条件
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Yii 2.0 は PHP 5.4 以上を必要とします。PHP 5.4 は、Yii 1.1 によって必要とされていた PHP 5.2 に比べて、非常に大きく改良されています。
この結果として、注意を払うべき言語レベルでの違いが数多くあります。
以下は PHP に関する主要な変更点の要約です:
- [名前空間](http://php.net/manual/ja/language.namespaces.php)
- [無名関数](http://php.net/manual/ja/functions.anonymous.php)
- 配列の短縮構文 `[...要素...]``array(...要素...)` の代りに使われています。
- 短縮形の echo タグ `<?=` がビューファイルに使われています。PHP 5.4 以降は、この形を使っても安全です。
- [SPL のクラスとインタフェイス](http://php.net/manual/ja/book.spl.php)
- [遅延静的束縛(Late Static Bindings)](http://php.net/manual/ja/language.oop5.late-static-bindings.php)
- [日付と時刻](http://php.net/manual/ja/book.datetime.php)
- [トレイト](http://php.net/manual/ja/language.oop5.traits.php)
- [国際化(intl)](http://php.net/manual/ja/book.intl.php)。Yii 2.0 は国際化の機能をサポートするために `intl` PHP 拡張を利用しています。
名前空間
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Yii 2.0 での最も明らかな変更は名前空間の使用です。
ほとんど全てのコアクラスが、例えば、`yii\web\Request` のように名前空間に属します。
クラス名に "C" のプレフィックスはもう使われません。
命名のスキームはディレクトリ構造に従うようになりました。
例えば、`yii\web\Request` は、対応するクラスファイルが Yii フレームワークフォルダの下の `web/Request.php` であることを示します。
(全てのコアクラスは、Yii のクラスローダのおかげで、そのクラスファイルを明示的にインクルードせずに使うことが出来ます。)
コンポーネントとオブジェクト
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Yii 2.0 は、1.1 の `CComponent` クラスを二つのクラスに分割しました: [[yii\base\Object]] と [[yii\base\Component]] です。
[[yii\base\Object|Object]] クラスは、ゲッターとセッターを通じて [オブジェクトプロパティ](concept-properties.md) を定義することを可能にする軽量な基底クラスです。
[[yii\base\Component|Component]] クラスは [[yii\base\Object|Object]] からの拡張であり、[イベント](concept-events.md)[ビヘイビア](concept-behaviors.md) をサポートします。
あなたのクラスがイベントやビヘイビアの機能を必要としない場合は、[[yii\base\Object|Object]] を基底クラスとして使うことを考慮すべきです。
通常、基本的なデータ構造を表すクラスに対しては、このことが当てはまります。
オブジェクトの設定
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[[yii\base\Object|Object]] クラスはオブジェクトを設定するための統一された方法を導入しています。
[[yii\base\Object|Object]] の全ての派生クラスは、正しく設定されるように、コンストラクタを(それが必要な場合には)以下の方法で宣言すべきです:
```php
class MyClass extends \yii\base\Object
{
public function __construct($param1, $param2, $config = [])
{
// ... 設定が適用される前の初期化処理
parent::__construct($config);
}
public function init()
{
parent::init();
// ... 設定が適用された後の初期化処理
}
}
```
上記において、コンストラクタは最後のパラメータとして設定配列を取らなければなりません。
設定配列は「名前-値」のペアを含むものであり、コンストラクタの最後でプロパティを初期化するためのものです。
[[yii\base\Object::init()|init()]] メソッドをオーバーライドして、設定が適用された後に行うべき初期化処理を行うことが出来ます。
この規約に従うことによって、設定配列を使って新しいオブジェクトを生成して設定することが出来るようになります:
```php
$object = Yii::createObject([
'class' => 'MyClass',
'property1' => 'abc',
'property2' => 'cde',
], [$param1, $param2]);
```
設定に関する更なる詳細は、[オブジェクトの設定](concept-configurations.md) の章で見ることが出来ます。
イベント
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Yii 1 では、イベントは `on` メソッドを定義することにより作成されました。
Yii 2 では、どのようなイベント名でも使うことが出来るようになりました。
[[yii\base\Component::trigger()|trigger()]] メソッドをコールしてイベントを発生させます:
```php
$event = new \yii\base\Event;
$component->trigger($eventName, $event);
```
イベントにハンドラを付けるためには、[[yii\base\Component::on()|on()]] メソッドを使います:
```php
$component->on($eventName, $handler);
// ハンドラを切り離すためには、以下のようにします:
// $component->off($eventName, $handler);
```
イベント関連の機能には数多くの改良がなされました。更なる詳細は [イベント](concept-events.md) の章を参照してください。
パスエイリアス
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Yii 2.0 は、パスエイリアスの使用を、ファイル/ディレクトリのパスと URL の両方に広げました。
また、Yii 2.0 では、通常のファイル/ディレクトリのパスまたは URL と区別するために、エイリアス名は `@` という文字で始まることが要求されるようになりました。
例えば、`@yii` というエイリアスは Yii のインストールディレクトリを指します。
パスエイリアスは Yii のコアコードのほとんどの場所でサポートされています。
例えば [[yii\caching\FileCache::cachePath]] はパスエイリアスと通常のディレクトリパスの両方を受け取ることが出来ます。
パスエイリアスは、また、クラスの名前空間とも密接に関係しています。
ルートの名前空間のそれぞれに対してパスエイリアスを定義することが推奨されています。そうすることによって、よけいな設定をしなくても、Yii のクラスオートローダを使うことが出来るようになります。
例えば、`@yii` は Yii のインストールディレクトリを指しているので、`yii\web\Request` というようなクラスをオートロードすることが出来ます。
サードパーティのライブラリ、例えば Zend フレームワークなどを使う場合には、そのフレームワークのインストールディレクトリを指す `@Zend` というパスエイリアスを定義することが出来ます。
一旦そうしてしまえば、その Zend フレームワークのライブラリ中のどんなクラスでも、同じようにオートロードすることが出来るようになります。
パスエイリアスに関する詳細は [パスエイリアス](concept-aliases.md) の章を参照してください。
ビュー
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Yii 2 のビューについての最も顕著な変更は、ビューの中で `$this` という特殊な変数がカレントコントローラやウィジェットを指すものではなくなったということです。
今や `$this` は 2.0 で新しく導入された概念である *ビュー*オブジェクトを指します。
*ビュー*オブジェクトは [[yii\web\View]] という型であり、MVC パターンのビューの部分を表すものです。
ビューにおいてコントローラやウィジェットにアクセスしたい場合は、`$this->context` を使うことが出来ます。
パーシャルビューを別のビューの中で表示するためには、`$this->renderPartial()` ではなく、`$this->render()` を使います。
`render` の呼び出しは、2.0 では明示的に echo しなくてはなりません。と言うのは、`render)` メソッドは、直接に表示するのではなく、レンダリング結果を文字列として返すものだからです。
例えば:
```php
echo $this->render('_item', ['item' => $item]);
```
PHP を主たるテンプレート言語として使うのに加えて、Yii 2.0 は人気のある二つのテンプレートエンジン、Smarty と Twig に対する正式なサポートを備えています。
Prado テンプレートエンジンはもうサポートされません。
これらのテンプレートエンジンを使うためには、[[yii\base\View::$renderers|View::$renderers]] プロパティをセットして、`view` アプリケーションコンポーネントを設定する必要があります。
詳細は [テンプレートエンジン](tutorial-template-engines.md) の章を参照してください。
モデル
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Yii 2.0 は [[yii\base\Model]] を 1.1 における `CModel` と同様な基底モデルとして使います。
`CFormModel` というクラスは完全に廃止されました。
Yii 2 では、それの代りに、[yii\base\Model]] を拡張してフォームモデルクラスを作成すべきです。
Yii 2.0 は シナリオを宣言するための [[yii\base\Model::scenarios()|scenarios()]] というメソッドを導入しました。
このメソッドを使って、どのようなシナリオがサポートされるか、また、どのシナリオの下である属性が検証される必要があるか、安全とみなされるか否か、などを宣言します。
例えば:
```php
public function scenarios()
{
return [
'backend' => ['email', 'role'],
'frontend' => ['email', '!role'],
];
}
```
上記では二つのシナリオが宣言されています: `backend``frontend` です。
`backend` シナリオでは、`email``role` の属性が両方とも安全であり、一括代入が可能です。
`frontend` シナリオでは、`email` は一括代入が可能ですが、`role` は不可能です。
`email``role` は、両方とも、ルールを使って検証されなければなりません。
[[yii\base\Model::rules()|rules()]] メソッドが Yii 1.1 同様に検証ルールを宣言するために使われます。
[[yii\base\Model::scenarios()|scenarios()]] が導入されたことにより、`unsafe` バリデータが無くなったことに注意してください。
ほとんどの場合、[[yii\base\Model::rules()|rules()]] メソッドが存在し得るシナリオを十全に記述することが出来るなら、そして `unsafe` な属性を宣言する必要が無いなら、[[yii\base\Model::scenarios()|scenarios()]] をオーバーライドする必要はありません。
モデルについてさらに詳細を学習するために、[モデル](structure-models.md) の章を参照してください。
コントローラ
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Yii 2.0 は [[yii\web\Controller]] を基底のコントローラクラスとして使います。
これは Yii 1.1 における`CController` と同様なクラスです。
[[yii\base\Action]] がアクションクラスの基底クラスです。
これらに関する変更があなたのコードに及ぼす影響で最も明らかなものは、コントローラのアクションは表示したいコンテンツを、エコーするのでなく、返さなければならない、ということです。
```php
public function actionView($id)
{
$model = \app\models\Post::findOne($id);
if ($model) {
return $this->render('view', ['model' => $model]);
} else {
throw new \yii\web\NotFoundHttpException;
}
}
```
コントローラに関する更なる詳細については [コントローラ](structure-controllers.md) の章を参照してください。
ウィジェット
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Yii 2.0 は [[yii\base\Widget]] を基底のウィジェットクラスとして使用します。これは Yii 1.1 の `CWidget` と同様なクラスです。
いろんな IDE においてフレームワークに対するより良いサポートを得るために、Yii 2.0 はウィジェットを使うための新しい構文を導入しました。
スタティックなメソッド [[yii\base\Widget::begin()|begin()]]、[[yii\base\Widget::end()|end()]]、そして [[yii\base\Widget::widget()|widget()]] が導入されました。以下のようにして使います:
```php
use yii\widgets\Menu;
use yii\widgets\ActiveForm;
// 表示するためには結果を "echo" しなければならないことに注意
echo Menu::widget(['items' => $items]);
// オブジェクトのプロパティを初期化するための配列を渡す
$form = ActiveForm::begin([
'options' => ['class' => 'form-horizontal'],
'fieldConfig' => ['inputOptions' => ['class' => 'input-xlarge']],
]);
... ここにフォームの入力フィールド ...
ActiveForm::end();
```
更なる詳細については [ウィジェット](structure-widgets.md) の章を参照してください。
テーマ
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テーマは 2.0 では完全に違う動き方をします。
テーマは、ソースのビューファイルパスをテーマのビューファイルパスにマップするパスマッピング機構に基づくものになりました。
例えば、あるテーマのパスマップが `['/web/views' => '/web/themes/basic']` である場合、
ビューファイル `/web/views/site/index.php` のテーマ適用版は `/web/themes/basic/site/index.php` になります。
この理由により、テーマはどのようなビューファイルに対してでも適用することが出来るようになりました。
コントローラやウィジェットのコンテキストの外で表示されるビューに対してすら、適用できます。
また、`CThemeManager` コンポーネントはもうありません。
その代りに、`theme``view` アプリケーションコンポーネントの設定可能なプロパティになりました。
更なる詳細については [テーマ](output-theming.md) の章を参照してください。
コンソールアプリケーション
--------------------------
コンソールアプリケーションは、ウェブアプリケーションと同じように、コントローラとして組織されるようになりました。
1.1 における `CConsoleCommand` と同様に、コンソールコントローラは [[yii\console\Controller]] から派生させます。
コンソールコマンドを走らせるためには、`yii <route>` という構文を使います。
ここで `<route>` はコントローラのルート(例えば `sitemap/index`)を意味します。
追加の無名の引数は、対応するコントローラのアクションメソッドに引数として渡されます。
一方、名前付きの引数は、[[yii\console\Controller::options()]] での宣言に従って解析されます。
Yii 2.0 はコメントブロックからコマンドのヘルプ情報を自動的に生成する機能をサポートしています。
更なる詳細については [コンソールコマンド](tutorial-console.md) の章を参照してください。
国際化
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Yii 2.0 は [PECL intl PHP モジュール](http://pecl.php.net/package/intl) に賛同して、内蔵の日付フォーマッタと数字フォーマッタの部品を取り除きました。
メッセージは `i18n` アプリケーションコンポーネント経由で翻訳されるようになりました。
このコンポーネントはメッセージソースのセットを管理するもので、メッセージのカテゴリに基づいて異なるメッセージソースを使うことを許容します。
更なる詳細については [国際化](tutorial-i18n.md) の章を参照してください。
アクションフィルター
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新しいアクションフィルターはビヘイビアによって実装されています。
新しいカスタムフィルターを定義するためには、[[yii\base\ActionFilter]] を拡張します。
フィルターを使うためには、そのフィルタークラスをビヘイビアとしてコントローラにアタッチします。
例えば、[[yii\filters\AccessControl]] を使うためには、コントローラに次のコードを書くことになります:
```php
public function behaviors()
{
return [
'access' => [
'class' => 'yii\filters\AccessControl',
'rules' => [
['allow' => true, 'actions' => ['admin'], 'roles' => ['@']],
],
],
];
}
```
更なる詳細については [フィルター](structure-filters.md) の章を参照してください。
アセット
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Yii 2.0 は、*アセットバンドル* と呼ばれる新しい概念を導入しました。これは、Yii 1.1 にあったスクリプトパッケージの概念を置き換えるものです。
アセットバンドルは、あるディレクトリの下に集められた一群のアセットファイル (例えば、JavaScript ファイル、CSS ファイル、イメージファイルなど) です。
それぞれのアセットバンドルは [[yii\web\AssetBundle]] を拡張したクラスとして表されます。
アセットバンドルを [[yii\web\AssetBundle::register()]] を通じて登録することによって、そのバンドルに含まれるアセットにウェブでアクセスできるようになります。
Yii 1 とは異なり、バンドルを登録したページは、そのバンドルで規定された JavaScript と CSS ファイルを自動的に参照するようになります。
更なる詳細については [アセットを管理する](structure-assets.md) の章を参照してください。
ヘルパー
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Yii 2.0 はよく使われるスタティックなヘルパークラスを数多く導入しました。それには以下のものが含まれます;
* [[yii\helpers\Html]]
* [[yii\helpers\ArrayHelper]]
* [[yii\helpers\StringHelper]]
* [[yii\helpers\FileHelper]]
* [[yii\helpers\Json]]
更なる詳細については [ヘルパー概要](helper-overview.md) の章を参照してください。
フォーム
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Yii 2.0 は [[yii\widgets\ActiveForm]] を使ってフォームを作成する際に *フィールド* の概念を導入しました。
フィールドは、ラベル、インプット、エラーメッセージ および/または ヒントテキストを含むコンテナです。
フィールドは [[yii\widgets\ActiveField|ActiveField]] のオブジェクトとして表現されます。
フィールドを使うことによって、以前よりも綺麗にフォームを作成することが出来るようになりました:
```php
<?php $form = yii\widgets\ActiveForm::begin(); ?>
<?= $form->field($model, 'username') ?>
<?= $form->field($model, 'password')->passwordInput() ?>
<div class="form-group">
<?= Html::submitButton('Login') ?>
</div>
<?php yii\widgets\ActiveForm::end(); ?>
```
更なる詳細については [フォームを作成する](input-forms.md) の章を参照してください。
クエリビルダ
------------
1.1 においては、クエリビルダは `CDbCommand``CDbCriteria``CDbCommandBuilder` など、いくつかのクラスに散らばっていました。
Yii 2.0 は DB クエリを [[yii\db\Query|Query]] オブジェクトの形で表現します。
このオブジェクトが舞台裏で [[yii\db\QueryBuilder|QueryBuilder]] の助けを得て SQL 文に変換されます。
例えば:
```php
$query = new \yii\db\Query();
$query->select('id, name')
->from('user')
->limit(10);
$command = $query->createCommand();
$sql = $command->sql;
$rows = $command->queryAll();
```
何より良いのは、このようなクエリ構築メソッドが [Active Record](db-active-record.md) を扱う時にも使える、ということです。
更なる詳細については [クエリビルダ](db-query-builder.md) の章を参照してください。
アクティブレコード
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Yii 2.0 は [Active Record](db-active-record.md) に数多くの変更を導入しました。
最も顕著な違いは、クエリの構築方法とリレーショナルクエリの処理の二つです。
1.1 の `CDbCriteria` クラスは Yii 2 では [[yii\db\ActiveQuery]] に置き換えられました。
このクラスは [[yii\db\Query]] を拡張したものであり、従って全てのクエリ構築メソッドを継承します。
以下のように、[[yii\db\ActiveRecord::find()]] を呼んでクエリの構築を開始します:
```php
// 全てのアクティブな顧客を読み出し、ID によって並べる:
$customers = Customer::find()
->where(['status' => $active])
->orderBy('id')
->all();
```
リレーションを宣言するためには、単純に [[yii\db\ActiveQuery|ActiveQuery]] オブジェクトを返すゲッターメソッドを定義します。
ゲッターによって定義されたプロパティの名前がリレーションの名前を表します。
例えば、以下のコードは `orders` リレーションを宣言するものです
(1.1 では `relations()` という一個の中枢でリレーションを宣言しなければなりませんでした):
```php
class Customer extends \yii\db\ActiveRecord
{
public function getOrders()
{
return $this->hasMany('Order', ['customer_id' => 'id']);
}
}
```
こうすることで、`$customer->orders` という構文によって関連テーブルにある顧客のオーダにアクセスすることが出来るようになります。
また、下記のコードを用いて、カスタマイズしたクエリ条件によるオンザフライのリレーショナルクエリを実行することも出来ます:
```php
$orders = $customer->getOrders()->andWhere('status=1')->all();
```
リレーションをイーガーロードするとき、Yii 2.0 は 1.1 とは異なる動きをします。
具体的に言うと、1.1 では JOIN クエリが生成されて、主レコードと関連レコードの両方がセレクトされていました。
Yii 2.0 では、JOIN を使わずに二つの SQL 文が実行されます:
第一の SQL 文が主たるレコードを返し、第二の SQL 文は主レコードのプライマリキーを使うフィルタリングによって関連レコードを返します。
多数のレコードを返すクエリを構築するときは、[[yii\db\ActiveRecord|ActiveRecord]] を返す代りに、[[yii\db\ActiveQuery::asArray()|asArray()]] メソッドをチェインして、クエリ結果を配列として返すことが出来ます。
こうすると、レコードの数が多い場合は、必要な CPU 時間とメモリを著しく削減することが出来ます。
例えば:
```php
$customers = Customer::find()->asArray()->all();
```
もう一つの変更点は、属性のデフォルト値を public なプロパティによって定義することは出来なくなった、ということです。
デフォルト値が必要な場合は、アクティブレコードクラスの `init` メソッドの中で設定すべきです。
```php
public function init()
{
parent::init();
$this->status = self::STATUS_NEW;
}
```
1.1 では、アクティブレコードクラスのコンストラクタをオーバーライドすることについて、いくつか問題がありました。
バージョン 2.0 では、もう問題はありません。
コンストラクタにパラメータを追加する場合は、[[yii\db\ActiveRecord::instantiate()]] をオーバーライドする必要があるかもしれないことに注意してください。
アクティブレコードについては、他にも多くの変更と機能強化がなされています。
詳細については [アクティブレコード](db-active-record.md) の章を参照してください。
アクティブレコードのビヘイビア
------------------------------
2.0 では基底のビヘイビアクラス `CActiveRecordBehavior` が廃止されました。
アクティブレコードのビヘイビアを作成したいときは、直接に `yii\base\Behavior` を拡張しなければなりません。
ビヘイビアクラスがオーナーの何らかのイベントに反応する必要がある場合は、以下のように `events()` メソッドをオーバーライドしなければなりません。
```php
namespace app\components;
use yii\db\ActiveRecord;
use yii\base\Behavior;
class MyBehavior extends Behavior
{
// ...
public function events()
{
return [
ActiveRecord::EVENT_BEFORE_VALIDATE => 'beforeValidate',
];
}
public function beforeValidate($event)
{
// ...
}
}
```
User と IdentityInterface
-------------------------
1.1 の `CWebUser` クラスは [[yii\web\User]] に取って換られました。
そして `CUserIdentity` クラスはもうありません。代りに、使い方がもっと単純な [[yii\web\IdentityInterface]] を実装すべきです。
アドバンストアプリケーションテンプレートがそういう例を提供しています。
更なる詳細は [認証](security-authentication.md)[権限](security-authorization.md)、そして [高度なアプリケーションのテクニック](tutorial-advanced-app.md) の章を参照してください。
URL 管理
--------
Yii 2 の URL 管理は 1.1 のそれと似たようなものです。
主な機能強化は、URL 管理がオプションのパラメータをサポートするようになったことです。
例えば、下記のような規則を宣言した場合、`post/popular``post/1/popular` の両方にマッチするようになります。
1.1 では、これと同じ目的を達成するためには、二つの規則を使う必要がありました。
```php
[
'pattern' => 'post/<page:\d+>/<tag>',
'route' => 'post/index',
'defaults' => ['page' => 1],
]
```
更なる詳細については [URL 管理](runtime-url-handling.md) の章を参照してください。
Yii 1.1 と 2.x を一緒に使う
---------------------------
Yii 2.0 と一緒に使いたい Yii 1.1 のレガシーコードを持っている場合は、
[Yii 1.1 と 2.x を一緒に使う](tutorial-yii-integration.md) の章を参照してください。
Yii バージョン番号規約 Yii バージョン規約
====================== ==================
リリース この文書は Yii のバージョン番号に関するポリシーを要約するものです。
-------- 概して言えば、Yii は [Semantic Versioning](http://semver.org/) に従います。
A.B.C ## パッチリリース `2.x.Y`
A = Yii2 では常に 2。 * `2.x` という名前のブランチ上で保守される。
B = メジャーバージョン。アップグレードのための説明をともなう非後方互換な変更。 * 主としてバグ修正と小さな機能強化を含む。
C = 後方互換な変更と追加。 * 大きな機能拡張はしない。
* 不安無しのアップグレードを保証するために、100% 後方互換でなければならない。唯一の例外はセキュリティ問題で、その場合は後方互換性が破られることもある。
* リリースのサイクルは1~2ヶ月程度。
* プレリリース (alpha, beta, RC) は不要。
* 常にマスターブランチにマージバックされるべき (少なくとも週に一回は手作業で)。
リリース候補
------------
A.B.C-rc ## マイナーリリース `2.X.0`
A.B.C-rc2
リリース候補を出したいときに用います。RC 番号は、安定したリリースを得て、致命的なバグと後方互換性に関する問題報告が無くなるまで、増加します。 * マスターブランチ上で開発。
* 主として新機能とバグ修正を含む。
* パッチリリースからマージされた小さな機能強化とバグ修正を含む。
* `UPGRADE-2.X.md` ファイルに記録される非後方互換な変更を含みうる。
* リリースのサイクルは6~8ヶ月程度。
* プレリリースが必要: `2.X.0-alpha`, `2.X.0-beta`, `2.X.0-rc`
* 大きなニュースのリリースとマーケティングの試みを要求する。
アルファとベータ
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A.B.C-alpha ## メジャーリリース `X.0.0`
A.B.C-alpha2
アルファは、著しいバグがおそらく存在するであろう、不安定なバージョンです。 計画はない。
API はまだ固まっておらず、大きく変更されるかもしれません。
`alpha2` などは、コードと API の全体的な安定性によって、リリースされたり、リリースされなかったりします。
A.B.C-beta
A.B.C-beta2
ベータはアルファに比べていくらか安定して、バグや API の不安定性が少なくなったものです。
まだ API が変更されることがあり得ますが、そのためにはかなりの理由がなければならないでしょう。
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